2017年12月12日火曜日

カリントが無い

両唇のはじ、切れ目のところが切れて痛い、と言う。

「薬の副作用か?」
聞くとそうだという。

あまり会話をしてこないNさんがめずらしくきりだした。

食事中だった。

近頃、食べるものが違ってきていた。
それぞれが自分用に食材を用意し食べるようになっている。


テーブルのおかしいれの容器にカリントが入っていたのでMは食べた。
食後のちょっとしたおつまみだった。

ひとつ食べると、ボリボリ次々と食べてしまうところがある。不思議な甘さがあるのだ。


しかし、ここでいやな予感はしていなかったわけではないが。

夕食が終わって、またちょっと食べた。

それで、修理が終わってみれるようになっていたテレビを見ていたら

「あら、また、カリントがこんなに少なくなって」

と、Nさんが言い出した。

「エッ」と言ったきり、Mは、絶句した。

が、ちょっと間をおいてから、

「また、言い出したな。食べていけないものならなぜはじめから言わない。別の場所に隠しておくか、ダメだと言っておいてくれればいいのに」

と珍しく感情をあらわにした。

すると、Nさんの表情が変わった。

「、、、」


しばらくおいてから、ちょうど湧いたいたお風呂にMは入った。

そして出てきて、すぐにコンビニに出向きカリントを買いに行った。

お菓子の容器にそのカリントを入れて
「さ、あなたの好きなカリントどうぞ召し上がれ」

そう言ったのだった。

●Nさんのこと。記録しとかねければいけない。